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薄毛治療の初期脱毛は量がどのくらい抜ける?終わる兆候も解説

薄毛治療の初期脱毛は量がどのくらい抜ける?終わる兆候も解説

薄毛治療を始めたのにかえって抜け毛が増えてしまう初期脱毛を経験すると、誰もが不安になります。

「本当に治療を続けていいのだろうか」

「いつまで抜け続けるのか」

と悩む方は少なくありません。

実は初期脱毛は、治療薬が正しく効いている証拠と考えられています。通常時より多く抜けますが、新しい健康な髪に生まれ変わるための必要なプロセスと言えます。

本記事では、初期脱毛で抜ける量の具体的な目安、初期脱毛の時期が終わりに近づいているサインの見極め方、いつまで続くのかのタイムラインを詳しく解説します。さらに初期脱毛を乗り越えるための具体的な対処法もご紹介しましょう。

正しく理解すれば不安が軽減され、治療を継続する自信が持てます。治療開始後にあわてないためにも、事前に初期脱毛に関してしっかり把握しておきましょう。

目次

薄毛治療の初期脱毛で抜ける量はどのくらいか

薄毛治療の初期脱毛で抜ける量はどのくらいか

薄毛治療を始めると、通常よりも抜け毛が増える初期脱毛が起こることがあります。髪は健康な状態でも1日に50〜100本程度は自然に抜けています

初期脱毛で抜け毛が増えるという報告はありますが、個人差があるので「〇本までなら大丈夫」とはいえません。

初期脱毛の程度には個人差が大きく、まったく起こらない方もいれば、明らかに抜け毛が増えたと感じる方もいます。抜ける髪は主に細く短い毛が中心で、完全に禿げてしまうようなことはありません。

1日に抜ける本数の目安は通常の2から3倍

初期脱毛では、通常時の2〜3倍まで抜け毛が増加すると言われています。2~3倍と聞くと多く感じますが、治療薬がヘアサイクルを正常化させている過程で起こる一時的な現象です。

抜け毛の量を確認するには、シャンプー時に排水溝に溜まる髪の本数や、朝起きたときに枕に付着している本数をチェックする方法があります。

シャンプー時に最も抜け毛が多いため、シャンプー後の抜け毛に変化を感じたら本数をチェックしてみましょう。

頭皮がスカスカに見えるほど抜けるか

初期脱毛で頭皮がスカスカになるほど抜けるのではないかと不安になる方もいますが、実際には見た目が大きく変化するケースはまれです。抜ける毛の多くは短く細い産毛のような毛が中心であり、完全に脱毛するような心配はほとんどないと考えられます。

本人が感じる変化と他人から見た印象には大きなギャップがあります。鏡で見ると薄く感じても、客観的にはそれほど目立たないことが多いのです。

また、前頭部や頭頂部など元々薄毛が気になる部分では変化を感じやすい傾向があります。

一時的なボリューム減少への対処法
  • 分け目を変える
  • 髪をふんわりと立ち上げるスタイリング
  • ヘアパウダーやスプレーでボリューム感を出す

初期脱毛が起こらない人もいる

初期脱毛は全ての人に起こるわけではなく、治療を受けた方の一部に発生すると言われています。起こらない理由としては、個人のヘアサイクルの状態による違いが挙げられます。

薄毛がそれほど進行していない方や、休止期の髪が少ない方は初期脱毛を経験しないケースもあるとされています。

初期脱毛がないからといって治療効果が出ていないわけではありません。AGA初期の方や比較的若い方の場合、初期脱毛を経ずに発毛が見られることも。

初期脱毛の有無だけで治療の効果を判断したり、継続を決めたりする必要はありません。治療効果は通常3〜6ヶ月程度で実感できるため、初期脱毛が起こらなくても焦らず根気強く治療を継続しましょう。

参考:日本皮膚科学会 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン  2017年版(CQ3:ミノキシジル外用は有用か?)

初期脱毛が終わる兆候といつまで続くのか

初期脱毛が落ち着いてくるサイン
時期症状
治療開始~10日~1ヶ月初期脱毛が始まる
1~2ヶ月抜け毛のピーク
2~3ヶ月抜け毛が落ち着く
3~6ヶ月発毛効果を実感

初期脱毛は治療開始から10日〜1ヶ月程度で始まり、1〜3ヶ月程度で落ち着くことが一般的です。終わりに近づいているサインとしては、抜け毛の量が徐々に減少してきたと感じる、産毛のような新しい髪が生え始める、髪のボリューム感が戻ってきたなどが挙げられます。

ただし、3ヶ月以上抜け毛が続く場合や、頭皮に赤み・かゆみ・炎症がある場合、1日の抜け毛が300本を超える場合は通常の初期脱毛の範囲を超えている可能性があります。

気になる症状が見られる際は、AGA以外の脱毛症や治療薬の副作用も考えられるため、自己判断せず医療機関に相談することが重要です。

初期脱毛が始まる時期と続く期間

初期脱毛は研究によると治療開始から4週目に脱毛量が増加しますが、持続期間は短かったことが明らかになっています。8週目までに脱毛量は基本ラインまで戻り、その後減少するという結果が出ています。

薬剤の種類によって初期脱毛の起こりやすさには違いがあり、ミノキシジルは発毛を促進する作用が強いため最も初期脱毛が起こりやすいとされています。

一方、フィナステリドやデュタステリドはヘアサイクルを活性化させる作用ではないため、初期脱毛は比較的起こりにくい傾向があります。

抜け毛が落ち着いてくるサインの見極め方

初期脱毛が落ち着いてくるサインを見極めるには、日々の観察が大切です。抜け毛は毎日チェックし、1週間単位で比較すると減少傾向が分かりやすくなります。

初期脱毛が落ち着いてくるサイン
  • 新しい産毛や短い毛が生えてくる
  • 髪にコシやハリを感じるようになった
  • 髪のボリューム感が戻ってきた
  • スタイリングがしやすくなった

初期脱毛が終わりに近づいている兆候として最も分かりやすいのは、新しい産毛や短い毛が生えてくることです。頭頂部や生え際を鏡で確認し、以前より細く短い毛が増えていれば、新しい髪が成長を始めているサインと言えます。

変化のサインが複数見られるようになれば、初期脱毛の終息が近いと判断してよいでしょう。

初期脱毛が長引く場合に疑うべきこと

初期脱毛が3ヶ月を超えて続く場合、初期脱毛とは異なる原因が考えられます。

初期脱毛以外の脱毛症状
  • 薬剤の副作用による頭皮環境の悪化
  • 円形脱毛症や甲状腺疾患などAGA以外の脱毛症の併発
  • 生活習慣の乱れやストレスによるヘアサイクルの異常

抜け毛が減らない状態や頭皮に関する症状は初期脱毛の範囲を超えている可能性が高く、早急な対応が必要です。

また、現在通院中のクリニックで十分な説明や改善が見られない場合は、セカンドオピニオンも視野に入れましょう。治療開始から6ヶ月経過しても薄毛改善の兆しが全く見られない場合も、別の専門医の意見を聞くタイミングと言えます。

薄毛治療で初期脱毛が起こる仕組み

初期脱毛は治療薬がヘアサイクルを正常化させる過程で起こる現象です。

毛周期期間
成長期2~7年
退行期約3週間
休止期3ヶ月

参考:男性型脱毛症と育毛有効成分

髪には周期があり、AGAを発症するとサイクルが乱れて成長期が短縮します。

治療薬の作用により休止期にあった毛根が再び成長期へ移行する際、古い弱った髪が新しい健康な髪に押し出されて抜け落ちるのが初期脱毛の正体です。

ヘアサイクルが整う過程で古い髪が抜ける

AGAによって乱れたヘアサイクルでは、成長期が短縮され多くの毛根が休止期に留まっている状態です。治療薬を使用すると、休止期にあった毛根が再び成長期へと移行を始めます。

移行の際、毛穴の奥で新しい健康な髪が成長を開始し、その勢いで古い細く弱った髪が押し出されるように抜け落ちます。薄毛の悪化ではなく改善プロセスの一部です。

古い家を取り壊して新しい家を建てるように、弱った髪を一度リセットすることで、太く強い髪が生える土台を作っているのです。

生え変わりのステップを経なければ、細く短い不健康な髪がそのまま残り続け、本来の治療効果を得られません。初期脱毛で抜ける髪は、もともと成長が止まっていた髪であり、抜けて初めて新しい髪の成長スペースが確保されます。

初期脱毛が起こりやすい治療薬

AGA治療で使用される主要な薬剤は、ミノキシジル、フィナステリド、デュタステリドの3種類です。薬剤はそれぞれ作用が異なり、初期脱毛の発生頻度にも差があります。

治療薬作用初期脱毛の起こりやすさ
ミノキシジル血管拡張・毛母細胞活性化高い
フィナステリドDHT抑制比較的低い
デュタステリドDHT抑制比較的低い

ミノキシジルは初期脱毛が起こりやすい

ミノキシジルは血管拡張作用により頭皮の血流を促進し、毛母細胞へ酸素と栄養を豊富に供給します。薬剤の作用によって休止期にあった毛包が急速に成長期へ移行するため、古い髪が一気に押し出され、初期脱毛が起こりやすくなります。

ミノキシジル使用時の典型的なパターンとしては、使用開始から2〜4週間程度で抜け毛が増え始め、1〜2ヶ月頃にピークを迎えます。抜ける髪の多くは細く短い産毛のような毛が中心で、2〜3ヶ月程度で自然と落ち着いていくのが一般的です。

フィナステリドやデュタステリドでも起こる可能性

フィナステリドやデュタステリドは、AGAの原因物質であるDHT(ジヒドロテストステロン)の生成を抑制します。DHT抑制によりヘアサイクルが正常化する過程で、退行期にあった髪を成長期へ移行させるため、初期脱毛が起こる可能性があります。

ただし、ミノキシジルと比較すると発生頻度は低いとされています。これは、ミノキシジルのように毛母細胞を直接活性化させる作用ではなく、抜け毛を抑制する作用を持つためです。

フィナステリドやデュタステリドの薬剤で初期脱毛が起こる場合も、抜け毛の量や期間はミノキシジルより軽度であることが多く、目立ちにくい傾向にあります。

ミノキシジル、フィナステリド、デュタステリドいずれも初期脱毛が起こる可能性がありますが、あくまでも一過性の副作用のため発生率は学術的論文などで明確な記録がありません。治療開始後に抜け毛が増えたと感じたら、抜け毛をチェックしたうえで気になる場合は医師に相談してください。

初期脱毛を乗り越えるための過ごし方

初期脱毛は一時的な現象であり、適切な対処法を知っておくと不安を軽減しながら治療を継続できます。「治療が効いている証拠」と前向きに捉え、頭皮環境を整えるケアを行いましょう。

抜け毛が心配なあまりに治療を中断すると、再びヘアサイクルが乱れて薄毛が進行し、再開時にはまた初期脱毛を経験する可能性があります。6ヶ月程度の治療継続で多くの方が発毛効果を実感できるため、根気強く続けましょう。

不安が強い場合は、医師に相談し治療の進捗を確認してください

治療を継続することが大切な理由

初期脱毛で治療を中断すると、せっかく正常化し始めたヘアサイクルが再び乱れ、薄毛が進行してしまいます。さらに、治療を再開すると繰り返して初期脱毛を経験する可能性が高く、二度の精神的な負担を強いられることになります。

初期脱毛が不安で治療をやめてしまえば、それまでの治療期間と費用も無駄になり、効果がリセットされてしまうのです。

一方、治療を継続した場合、早い方で3ヶ月、多くの方は6ヶ月程度で発毛効果を実感できるようになります。具体的には、抜け毛の減少、産毛の増加、髪のボリューム感の回復、髪質の改善(太さやコシの向上)などが期待できます。

モチベーション維持のためには、「初期脱毛は治療が効いている証拠」「新しい健康な髪が生える準備段階」と前向きに捉えることが重要です。

初期脱毛は一時的な現象であり、終わりがあります。治療開始時の写真と定期的に比較して、小さな変化もチェックしましょう。

生活習慣を整えて頭皮環境をサポートする方法

頭皮健康のために良い方法
  • 質の良い睡眠
  • タンパク質、亜鉛、ビタミンB群をバランスよく摂取
  • ストレス管理

頭皮の健康には、睡眠中に成長ホルモンが分泌されるため質の良い睡眠が不可欠です。1日7〜8時間の睡眠を確保しましょう。

栄養面では、髪の主成分であるタンパク質を意識して、さらに亜鉛、ビタミンB群をバランスよく摂取してください。

栄養素食材
タンパク質肉・魚・大豆
ビタミンB群レバー・玄米・ブロッコリー
亜鉛牡蠣・牛肉・ナッツ
栄養面で髪によい食材

ストレス管理には、適度な運動やリラクゼーション、趣味の時間を確保することが効果的です。

日常ケアでは、低刺激性のシャンプーで優しく洗い、指の腹を使った頭皮マッサージで血行を促進します。シャンプー後はすぐに乾かし、頭皮を清潔に保ちましょう。

避けるべき習慣として、喫煙は血管を収縮させ栄養供給を妨げ、過度の飲酒はDHTを増加させる可能性があります。不規則な生活も成長ホルモンの分泌を乱すため、規則正しい生活リズムを心がけましょう。

不安な場合は医師に相談する

初期脱毛で不安を感じたら、我慢せず医師に相談しましょう。

相談すべき症状の判断基準
  • 1日の抜け毛が300本を超える状態が続く
  • 3ヶ月以上抜け毛が止まらない
  • 頭皮に赤み・かゆみ・痛みなどの炎症がある
  • 激しいフケや黄色い分泌物が出る
  • 斑状の脱毛が見られる

相談時に伝えるべき情報のチェックリストとしては、治療開始からの期間、1日の抜け毛の本数、抜け毛が増え始めた時期、頭皮の状態(炎症・かゆみの有無)、使用している治療薬の種類と用量、生活習慣の変化や体調不良の有無などを整理しておくとスムーズです。

現在は、オンライン診療を提供する専門クリニックも多く、自宅から気軽に相談できます。AGA専門クリニックの無料カウンセリングを活用すれば、治療方針の見直しや不安の解消が可能です。一人で悩まず、専門家のサポートを積極的に活用しましょう。

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